
●監督:深作欣司●出演:金子信雄、木村俊恵、松方弘樹、菅原文太、三上真一郎、川地民夫、曽根晴美、田中邦衛、高宮敬二、宮城幸生
終戦直後の呉。復員後遊び人の群れに身を投じていた
広能昌三は、その度胸と気っぷの良さが
山守組々長・山守義雄の目にとまり、山守組の身内となった。
当時の呉には土居組、上田組など四つの主要な組があったが、山守組はまだ微々たる勢力にしかすぎなかった。そこで山守は上田組と手を結ぶことに成功し、当面の敵、土居組との抗争に全力を注ぐ。その土居組では組長の土居清と若頭・若杉が仲が悪く、事あるごとに対立し、とうとう若杉は破門されてしまった。そして、若杉は以前からの知り合いである広能を通じて山守組へと接近していった。
若杉の山守組加入で、土居殺害の計画は一気に運ばれた。広能は土居殺害を名乗り出た若杉を押し止どめ、自ら土居を襲撃し、暗殺に成功したが…。
ヤクザ映画の金字塔にして最高傑作。もうこの分野の『代名詞』ともいえる作品と言えるでしょう。
この『仁義なき戦い』が世に出る前までの仁侠映画は、高倉健主演の
『残侠伝』シリーズのように、いわば時代劇的ストーリーで、ヤクザである主人公がヒーロー的に描かれているものがほとんどでした。
しかし、この『仁義なき戦い』では、一時のし上がった者が無残にも殺されてしまうような結末を迎え、また親分役の
金子信雄に象徴されるように、
金に汚く弱者に強いヤクザの世界を一応『社会悪』として捉えています。
こうした
ドキュメンタリータッチの部分を無視して、この作品に対して冷たい視線を浴びせる人は多く、またヤクザをカッコイイと思ってしまう人もいるも多いようですが、それはこの作品に対する大変な曲解といわざるを得ません。
固定カメラではなく、俳優の動きをそのまま追いかけるカメラワークなど、斬新な演出効果も取り入れられ、こうしたそれまでにない映像が当時この作品を見た人々には衝撃的だったようです。
今でも名画座で上映されるときは、満員御礼になるほど人気のある本作は、外国の映画監督達にも多大な影響を与えました(タランティーノ、ジョン・ウーなど)。
ただ、組の抗争関係など少し複雑な要素もあり、私は初めて見た時は途中で少し退屈になりました。・・・そうそう、
川谷拓三もバッチリ出てますので、まだ見てない人はお見逃しなく!

●監督:チャールズ・チャップリン●出演:チャールズ・チャップリン
ふとしたことから捨て子を育てるハメになったチャーリーに深い愛が生まれる。チャールズ・チャップリンの笑いの中に涙を導入した感動作。
前回見た時は、
冒頭のナレーションとBGMにヤラレてしまい、涙、涙の感動が記憶に新しく、今回もまた泣いてしまいました(笑)。
私の涙のツボというのが、アノ
親子の再会シーンです。少々「バラ珍」的な印象もありますが、この映画全体における
ユーモア溢れる空気とほほえましさが、より一層そのシーンの感涙を誘います。
また、孤児院に無理やり連れて行かれる男の子を取り戻して抱き合う姿、これもまた真の
「親子の情愛」の一面というべきでしょう。現代社会における荒んだ家族の面容を思えば、感動せずにはいられないシーンです。
ただ、ラスト前の
「夢の国」セクションは余計かな、と思うのですがいかがでしょうか?意図するところは理解できるのですが、ストーリーの流れを考えると、少し唐突な感じも。
多くの人々に愛されるチャップリン作品の中でも、この「キッド」をNo.1に推す声も多く、御覧になっていない方には是非見ていただきたいです。

●監督:ロベルト・ヴィーネ●出演:ヴェルナー・クラウス、コンラート・ファイト
怪人・眠り男を使って殺人を繰り返す
カリガリ博士の恐怖を描いた映画。
久しぶりのレビューです。・・とはいってもそこそこ映画やDVDを見てはいたのですが、いざブログを更新するとなると腰が重くて。
・・で
短めの尺のモノを探していたところ、このサイレント映画をレビューすることに決めました。
いかにも恐ろしげな博士のパッケージ写真などを見ていると、
恐怖映画の原点かと思いきや、むしろ
SF映画のはしりぐらいに考えたほうがいいかもしれません。
というのも、この映画を語る上で映画に詳しい人達は、「
ドイツ表現主義の代表作で・・・」みたいな堅苦しい解説をしたがるのですが、個人的にはちょっと変わったセットなどを楽しめればいいかなあぐらいの気持ちですねえ。舞台美術みたいな
へんてこな風景がたくさん出てきます。
ストーリー的には変化に乏しいので、サイレントの単調さに加えて、途中で退屈になってきます。ただ、最後に
「そういうオチか〜!」という展開が待っています。

●監督:サム・ライミ●脚本:デイヴィッド・コープ●撮影:ドン・バージェス●出演:トビー・マグワイア、キルスティン・ダンスト、ウィレム・デフォー
さえない高校生のピーターは、大学の見学会で新種のクモに刺され、特殊な能力を身につける。それは、まるでクモのように手首から糸を出し、壁を這い上がったり、ジャンプしたりすることができ、危険予知をもできる
超人的な身体能力であった。
しかし、ある晩、育ててくれた叔父が強盗に殺害され、復讐を果たしたピーターは、その日を境にこの特殊な能力を
正義のために生かそうと決意する。これが「スパイダーマン」の誕生であった・・・。
ここ数年ハリウッドで流行している大人気
アメリカンコミックの映画化。CG技術が発達したせいもあると思いますが、「
バットマン
」シリーズに続いて多くのアメコミヒーローが「実写化」されています。
この映画の特筆すべき点は、何と言ってもその
CGです。恐らく撮影の半分以上はコンピュータ処理されているのではないでしょうか。確かに、SFもここまできたかと思えるほどの素晴らしさではあります。
特に、ニューヨークの街中を縦横無尽に飛び回るスパイダーマンの活躍ぶりは、まるで本当に空を飛んでいるかのように感じます。
しかし、逆にこの映画に浴びせられる最大の
批判は、このCGでもあります。コミックの実写版でありながら、まるでCGアニメを見ているかのような錯覚に陥ってしまうくらい、
CGに支配されてしまった作品です。
また、分かりやすいくらいの勧善懲悪ストーリーは、
日本の戦隊モノとカテゴリーを同じくし、映画としては
子供向けと言ってしまっても構わないでしょう。
主演の
トビー・マグワイア
は、
サイダーハウス・ルール
で朴訥とした演技が印象に残っていましたが、この映画でも普段はまじめな好青年である役柄を抑え気味に好演しています。

●出演:中居正広、小林薫、深津絵里、綿引勝彦、梶原善、西川のりお、桂三枝、緒方拳
主人公の
灰原は、アルバイト先の焼肉店が倒産し、客として来ていた
帝国金融の金子の元で働くことになる。親の事業の失敗で借金を背負うことになってしまった市役所職員の正子、市会議員選挙のための資金を帝国金融から借りることになった古井、など様々な客との関わり合いのなかで、灰原は金貸しとして成長していく・・・。
またまた
金融ものをレビューさせていただくことになりました。「これは映画じゃないじゃないか!」というツッコミがありそうですが。
これは、ご存知
青木雄二
原作の人気コミックをドラマ化したもので、
消費者金融の法律や業界ルールなど裏の世界を知ることができます。個性豊なキャラクターが馴染みにくいストーリーを楽しく、興味深いものにしています。
私はこの原作の漫画を
学生時代繰り返し読んでおり、登場人物の台詞をほとんど覚えてしまっていた頃がありました。何故そんなにハマっていたかというと、当時私は
法学部に在籍しており、自分の学んでいることが
実社会でどのように生かされているのか、とても興味があったからなのです。
例えば、
手形法などは私にとってはほとんど馴染みがなく、手形法の教科書を漫然と読んでいるだけでは、全く何のことやらさっぱり分かりませんでした。しかし、この「ナニワ金融道」を精読することによって、
手形の裏書、抗弁などを理解することが可能になりました。いや、大げさではなくて、ホントの話です。
それぐらい実務に即した内容なのですが、逆に
シビアな現実をも淡々と描写している原作でもあります。詳しい話は実際に御覧頂くとして、
借金はしないにこしたことはないという教訓を教えてくれます。
さて、ドラマの方はというと、あまりにも
原作とのギャップが強すぎて、個人的には
かなり幻滅しました。
まず、中居君の演技がひどすぎます。確かに難解な法律用語が台詞に多かったとはいえ、いかににも
丸暗記して吐き出してますという様なシーンが結構目立ちました。
また他の出演者達の関西弁がとても滑稽です。もう少し練習して何とかならなかったのでしょうか。
唯一、非常にいい点は、何と言っても桑田役の
小林薫
でしょう。彼のキャラクターがこのドラマの雰囲気を決定づけているといっても過言ではありません。したがって、ドラマは全体を通して
コメディタッチになっています。